- 2017-11-2
- 20代後半から始める
- 債権, 資産運用
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ローリスクローリターンの資産運用を目指した場合、まず最初に検討するのが債権投資です。債券は、あらかじめ定められた満期日まで保有していれば、投資した額面をそのまま償還金として受け取ることができます。場合によっては償還差益や売却差益によって、購入価格以上の利益を得る可能性もあります。満期日までの間は定期的に利子を受け取ることもでき、安定して収入を得ることができます。資産運用を行う場合、このように安定している債権へ一定割合投資することで、リスクの分散を図ることができます。
このような債権投資の性格上、資産運用として株や先物取引などより安全でリスクが少ないというイメージを持っている人も多くいます。一般的な社債はもちろん、国が発行している国債は特に安全志向の投資家が好む商品でもあります。お金を使って購入する株などとは異なり、一旦お金を貸し付けている意味合いの強い債権ですが、実は元本割れなどのリスクも少なからずあるので注意が必要なのです。
資産運用として国債を購入していた場合、万が一その国が債務不履行という状態に陥れば、所有しているものはただの紙切れ同然になってしまいます。利子はもちろん元本も戻って来ず、まるまる損をしてしまいます。社債の場合も、その企業が倒産してしまえば同じように償還することは叶いません。このため、購入を検討している場合は、発行者が満期日まで問題なく存続している体力や経営能力を保持しているか、慎重に検討する必要があります。
また、一般的な物より高利回りを謳っている商品にも注意しましょう。例えば日本国債の場合、円は世界的に信用があるため人気が集まりやすく、金利も低くなっています。国債を購入するのはやはり日本国内の人が多いのですが、この場合為替変動リスクも関係ないため、より安全に確実な利益を見込めます。一方高利回りの外国債などの場合、あまり人気がなく資金が集まりにくいため、やむを得ず高利回りで購入者を募っていることがほとんどです。このような国の場合は通貨に対する世界的な信用も低く、世界情勢の変化によっては債務不履行が起こる危険性もあります。さらに、日本円との為替変動リスクもあるため、レートに大きな動きがあれば元本を割ってしまうこともあります。このように、一見ローリスクハイリターンに見える高利回り債権は、実は比較的リスクが大きいものなのです。
資産運用を安全に行いたい場合は、このようなポイントに注意しながら銘柄を決めるようにしましょう。